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梅田 良太; 近藤 俊樹; 菊地 晋; 栗原 成計
Proceedings of 28th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 28) (Internet), 9 Pages, 2021/08
本研究では、セル間のエアロゾル移行挙動に関する基本的な情報を得るために、複数のセルや連通管を有する試験装置(MET)を製作し、予備的な実験を行った。予備実験では、水平または垂直に接続された2つのセルによる試験体系において、模擬粒子を使用し、その移行挙動を測定した。その結果、画像や沈降データなどの結果から、水平セルまたは垂直セルに移動する模擬粒子の挙動を確認することができた。
阿部 雄太; 永井 桂一; 真家 光良*; 中野 菜都子*; 川島 裕一*; 武末 尚久*; 斉藤 淳一
第23回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集(USB Flash Drive), 5 Pages, 2018/06
ナトリウム火災ではナトレックスで窒息消火させるが、消火能力の向上や純ナトリウムの安定化を目指した消火手法を考案した。もんじゅ等の高速炉やナトリウム施設の廃止では大量ナトリウム処理でのアルカリ廃液及び水素管理が課題となる。ナトリウムは電気陰性度が他の金属より小さいため高い化学的活性度である。Naを塩化カルシウムのClとイオン結合させ、中性かつ安定な塩化ナトリウムを生成する消火/処理方法を考案した。基礎的特性(熱分析, 元素分析等)と小規模試験から、適用が期待できる結果を得た。
姫野 嘉昭; 宮原 信哉; 川田 耕嗣*; 川部 隆平*; 佐々木 和一*; 山田 敏雄*; 宮口 公秀
PNC TN941 85-130, 65 Pages, 1985/09
ナトリウム配管,床ライナ,連通管および燃焼抑制槽のそれぞれの縮尺モデル試験体を用いて,二次系ナトリウム火災に関する試験を行った。試験では,各試験体を実機と類似に配置し,模擬事故室内の配管からのナトリウム漏洩によって始まり,燃焼抑制槽で事故が終息するまでを調べた。使用したナトリウムは,温度505,総重量約150kgで,これを模擬ナトリウム配管から流量約1/sccで約3分間にわたって漏洩させた。今回の試験結果から,次の結論を得た。模擬配管からの漏洩ナトリウムは,現在「もんじゅ」設計で想定されている事故推移と同様に,床ライナから連通管を経て燃焼抑制槽に円滑にドレンされ,燃焼抑制槽内のナトリウム燃焼の自然鎮火によって事故が終息した。模擬ナトリウム漏洩配管では,内装板及び外装板の腐食破損及び高温破損は生じておらず,試験期間中は漏洩ナトリウム飛散防止機能が維持された。模擬事故室の床ライナ上及び連通管内については,燃焼生成物によるナトリウム流路の閉塞は認められなかった。また模擬事故室における漏洩ナトリウムの滝状(コラム状)及びプール状の混合燃焼による発熱量は,床ライナの単位面積当たりに換算するとプール燃焼発熱量の約1.6倍であった。燃焼抑制槽にドレンされたナトリウムの燃焼は一定時間後に自然に鎮火した。燃焼抑制槽下部のコンクリートについては,断熱コンクリートであるパーライトコンクリートと構造コンクリートのそれぞれの温度データを得た。また試験期間中のコンクリート放出水量は,従来のR&D結果と比べ非常に少なかった。
川部 隆平*; 姫野 嘉昭; 川田 耕嗣*; 宮口 公秀
PNC TN941 85-104, 17 Pages, 1985/06
漏洩ナトリウムの流動性を明らかにする目的で、温度250の低温ナトリウムのライナ上流動燃焼試験を行った。試験には、長さ約2.4m、幅約1.2m、ライナ勾配1/100を有し裏面断熱の水平なライナ試験体を用い、その端部に幅200mm、高さ10mmのノズルを固定し、ノズルから水平方向に流量約1-/secで総量約160kgのナトリウムを220秒間穏やかに流した。試験中はライナ上のナトリウムの流動性及び燃焼状況を観察し、またライナ各部の温度測定も行った。試験後は、試験体各部に残留したナトリウム燃焼生成物の回収とそれらの分布を調べた。試験中及び試験後のデータとそれらの解折から、次に述べる結果を得た。ノズルからの流出ナトリウムは、最初は限定された流路幅の中を流れた。しかし、しばらくすると流出ナトリウムの先端が放熱のために一時棟結し、凍結によって形成された固化ナトリウムが流路をライナ全面に広げた。凍結ナトリウムは、次々と流入するナトリウムによって容易に再融解され、その後のナトリウム流動は円滑に推移した。ナトリウムからライナに対する熱流束は約80kw/m2以下で、前回の高温ナトリウム(505)試験の時と比べ小さい。ただ、熱伝達率は300500w/m2と前回と同様な値であった。試験後の残留ナトリウム燃焼生成物は、ライナ上では平均約1kg/m2のほぼ均一な分布を示し、連通管内については大きな固形燃焼物の流入は認められていない。このことと前回の高温ナトリウムを用いた同様な試験結果から、実機における流路閉塞の可能性は排除できるものと結論される。
川部 隆平*; 姫野 嘉昭; 藤枝 平*; 奥村 泰伸*; 佐藤 稔*
PNC TN941 84-124, 56 Pages, 1984/08
ナトリウム漏洩・火災基礎試験装置(SOFT-1)において次に示す3回の試験を行った。(1)Run-A1‥ナトリウム燃焼現象の把握を目的として180-のナトリウムをプール燃焼させ,ナトリウム中の温度変化,燃焼速度等を求めた。(2)Run-B1‥火災抑制板の性能評価を目的として,燃焼中のナトリウム180-をスリットを有する板で覆い,燃焼抑制効果を求めた。また,連通管の機能およびその健全性を確認するために約530まで昇温させたナトリウムを連通管を通してドレンさせる試験を行った。(3)Run-B2‥ライナ上のナトリウムの燃焼・流動挙動を解明するため,505,約180-のナトリウムを大きさ1.2m2.4mで,1/100勾配を有する鋼板上に流出させて,温度変化・残留物重量等を測定した。(ii)これらの結果,以下のことが明らかになった。(i)ナトリウムを400に加熱した状態で空気に触れさせたところ着火した。(iii)ナトリウム表面温度は7分後に約650となり,その後ほぼ一定となった。(iv)火災抑制板上の空気流が強制対流という保守側の条件のもとでも,火災抑制板(開口面積比1%)の在る時の燃焼速度は,開放プールのそれの約3%に,エアロゾル発生速度は約5%に減少した。(v)室温の連通管壁へ燃焼ナトリウムをドレンさせた鴉合の最大熱流束は1.2106W/m2であった。なお,試験後に行ったカラーチェックでは,この時の連通管の管壁にはクラック等は検出されなかった。ライナ試験Run-B2では,ナトリウムの供給終了後に,ライナ上に多量の酸化物が残り,これらが燈芯状に作用してナトリウムの燃焼が進み,ライナ温度は,供袷ナトリウム温度より138高い643に達した。この試験の終了後にライナ上に残った酸化物量は単位面積あたり8.7kg/m2であった。ライナ上でのナトリウムの最高温度,流速,燃焼速度,ライナヘの最大熱伝達率は,それぞれ700,0.1m/s,5gNa/m2s,1200W/m2であった。連通管に入る固形物量は少なく,供袷ナトリウム量の0.14%であった。エアロゾルの最大発生速度は,1.8gNa/m2s(6.84kgNa/m2hr),観測された最大エアロゾル濃度は32gNa/m3であった。
木谷 進; 三塚 哲正*
日本原子力学会誌, 22(9), p.598 - 603, 1980/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Nuclear Science & Technology)高速増殖炉に関する安全性研究開発が各国で進められている。ナトリウム冷却型高速増殖炉は、燃料としてウランとプルトニウムの混合酸化物を、冷却材として液体ナトリウムを使用している。そのため、事故時に対する工学的安全設備を設計する場合、従来の軽水炉における放射性気体に加えて、事故時に発生すると想定される核燃料、冷却材を成分とするエアロゾルが対象として加わる。特に、高速炉には核納器内の浮遊FPに対し、軽水炉に設備されている格納容器スプレイに相当する強制減衰設備がないため格納容器内におけるエアロゾル挙動の知見が重要となる。
木谷 進; 高田 準一; 西尾 軍治; 白鳥 徹雄
Journal of Nuclear Science and Technology, 12(11), p.717 - 721, 1975/11
被引用回数:3Na冷却型高速炉の災害解析において、Naの火災によるF.P.およびNaの大量放出が予想される。Naプール火災の場合、Na中の放射性ヨウ素の一部は酸化Naエアロゾルと共に気相中に移行する。しかし、ヨウ素の一部が揮発性化合物に変化するならば、その放射能はエアロゾルのように沈降、付着することなく空気中にととどまると考えられる。Na火災時に揮発性のヨウ素化合物が生成されるかどうかを研究するため、1mのステンレス鋼チャンバ内で実験が行なわれた。Iでラベルした1ppm相当のNa1が精製したNaと混合し、空気中で加熱され、燃焼させた。MayPackの測定から空気中に放出したヨウ素の大部分はエアロゾル状であった。しかし、その一部は長時間にわたりチャンバ内に浮遊し、ラジオガスクロマト分析から有機ヨウ素化合物であることが見出された。有機ヨウ素の生成率は軽水炉事故から得られたその値と類似していた。
西尾 軍治; 木谷 進; 高田 準一
Nucl.Eng.Des., 34(3), p.417 - 428, 1975/03
被引用回数:3この論文は、ナトリウム冷却型高速実験炉の仮想事故時に原子炉から環境へ放出されるプルトニウムエアロゾルの災害解析を記述している。原子炉格納容器は二重構造であり、アニラス状の格納容器は、非常用フィルターに連結されている。一次格納容器内に噴出したエアロゾルは、UO-PuO,構造材を含む酸化ナトリウムであると仮定して計算した。エアロゾルの挙動は、(1)一次格納容器内のエアロゾルは、その高い濃度に起因して激しく凝集しその粒径を増大させる。(2)同時に、粒子の沈降、格納容器壁面への拡散沈着,熱泳動付着によりその濃度を減少させつつ(3)二次格納容器に漏洩し、さらにその濃度減衰が進行する。二次容器内のエアロゾルは、フィルター系で清浄され環境へ放出される。いくつかの計算結果は、実験データーと比較されよい一致をみた。
木谷 進; 松井 浩; 宇野 清一郎; 村田 幹生; 高田 準一
Journal of Nuclear Science and Technology, 10(9), p.566 - 573, 1973/09
密閉容器内の酸化ナトリウムエアロゾルの挙動をナトリウム冷却型高速炉の安全解析のために研究した。最初にその実験装置および方法を述べている。加熱したナトリウムに空気を吹付けることにより短時間内にエアロゾルを1m容器内で発生させた。NaOとしてのエアロゾル最大濃度は0.05~10g/mの範囲であった。エアロゾル濃度の減少とエアロゾル粒子の床および壁への単位面積当りの沈着を時間とともに測定した。エアロゾルの質量中央径と最大濃度との間には一定の関係があることが見出された。容器内における酸化ナトリウムエアロゾルの挙動を特徴づけるため、エアロゾル粒子の密度および粒子が壁に沈着する境界層厚さを決定した。エアロゾルの初期半減期といくつかの仮定を置いて計算した値との比較を行なった。
古川 和男; 山田 栄吉; 春田 秀人; 大山 信美*; 住谷 功
安全工学, 10(1), p.28 - 34, 1971/00
高温液体ナトリウムが高遠中性子増殖炉の冷却材として用いられようとしているが,その技術開発の一環として,高温液体ナトリウム施設の安全性確保のための努力が種々なされており,国内の開発の成果もかなりえられつつある。
大野 修司
no journal, ,
高速炉冷却材ナトリウムが大流量で漏えいして空気中で燃焼する挙動を調べた試験における装置内部温度や酸素濃度の測定結果をもとに、ナトリウム燃焼とその熱影響の多次元熱流動効果について分析評価した。
斉藤 淳一; 永井 桂一; 荒 邦章
no journal, ,
ナトリウム漏えい燃焼が生じた場合のナノ流体の適用効果および課題の評価を行っている。従来の設計想定を上回る事象を含めた過酷な条件下における漏洩燃焼火災を対象にナノ粒子分散ナトリウムの反応抑制効果について述べる。
永井 桂一; 斉藤 淳一; 荒 邦章
no journal, ,
ナノ粒子分散ナトリウム(ナノ流体)の燃焼反応抑制の寄与に係わる基礎特性と反応挙動を調査し、漏えいナトリウム温度が高い条件での周囲への熱影響及び燃焼反応の自己終息効果への影響についての検討結果を報告する。
阿部 雄太; 永井 桂一; 真家 光良*; 中野 菜都子*; 斉藤 淳一
no journal, ,
ナトリウム火災ではナトレックス(沸点(883C)近傍で溶融または分解熱を吸収するNaClまたはNaCOの粉末をナトリウムより軽質にしたもの)をかけて窒息消火させるが、消火能力の向上や純ナトリウムの安定化を目指したより安全な消火手法を考案した。また、もんじゅ等の高速炉の廃炉や研究開発等で用いたナトリウム試験施設の廃止においては、大量ナトリウムを処理する際に発生するアルカリ(NaOH等)廃液及び水素管理が課題となる。これらの課題は、ナトリウムの電気陰性度が他の金属に比べて小さいため高い化学的活性度であることに起因し、ナトリウムがNaで存在しやすいために引き起こされる。われわれは、この性質に着目し、融雪剤等に用いられるCaClのClをイオン結合させ、中性かつ安定なNaClを生成する消火/処理剤を考案した。本報では、ナトリウムとCaClの基礎的特性(熱分析、元素分析等)の把握と小規模実証試験から適用が期待できる結果を得た。